言語連想検査は、心理検査や心理療法の過程で用いられる、ユング心理学に基づいた心理検査です。
このページでは、言語連想検査の概要、実施方法、役立て方などについて解説しています。
言語連想検査とは
100の言葉を聞いて、それぞれに対して「最初に思い浮かんだ言葉」を答えていただく、シンプルな検査です。
この回答には、正答/不正解はありません。
無意識レベルに働きかけ、その人のパーソナリティの構成要素を理解するために有用な検査です。
特定の刺激語に対して、強い感情や反応が突然湧き上がったり、まったく反応が出なかったりすることにより、その人の無意識やコンプレックスに関する情報を引き出します。
この検査は、ユングが30代でブルクヘルツリ病院に入局した際に取り組んだもので、コンプレックス理論と緊密に関係しています。
コンプレックス理論について
コンプレックスという言葉は、劣等感、と同じ意味で使われることもありますが、本来の意味は、「複雑な」「絡み合ったもの」「複合体」といったものです。
ユング心理学においては、コンプレックスは「無意識内に存在する、感情と結びついた心的内容の集合」と定義されます。
感情によって色づけられたこれらの心の内容は、意識では気づかず、時に予期せぬきっかけで賦活され、行動や感情の凍り付きや、活性化を引き起こすことがあります。
また、コンプレックスが意識の統制を超えて働くことで、不安や、不全感、不調和感を引き起こすこともあります。
ただし、こうした予期せぬコンプレックスの働きは、それまで意識していなかった自分のパーツに直面するきっかけとなることもあるので、必ずしも悪いもの、克服すべきものではありません。
そのため、自分の心の中の「コンプレックス」を理解することが、自己実現(自分らしく生きること)に大切と考えられています。
言語連想検査の実施
この検査は、基本的に2回に分けて行われます。
第1回:100の刺激語に対して最初に思い浮かんだ言葉を答えます
(所要時間:約1~2時間)。途中に休憩を挟むこともあります。
第2回:1回目の刺激語と回答の関係について、自由に考えや感想を述べてもらいます
(所要時間:約1時間)。
第3回:結果のフィードバックを行います。
言語連想検査を役立てていただける方
・自分のことをもっと深く知りたい方
・人間関係や日常生活で、なぜかもやもやしている方
・感情の動きに振り回されてしまうことがある方
・言語連想検査の結果は、解決の糸口として、カウンセリングに役立てることもできます。カウンセリングを受けられる方、受けられている方が必要に応じて受けられてもよいでしょう。
・検査結果に、パーソナリティに関する情報が全て網羅されるわけではありません。ご自身の特性の理解や問題解決の糸口として利用していただけると良いと思います。
言語連想検査を受けたい方へ
当オフィスで、言語連想検査を受けることが可能です。
実施、結果報告の面接のセットで10,000円となります。
お申し込みやお問い合わせは以下のフォームからどうぞ。
文献
広瀬 隆(2012)「連想実験」とコンプレックス理論 ―いわゆるユングの「言語連想検査」の臨床的意義と手続き思案― 程塚山大学 人間学部研究年報 第14号
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